赤ちゃんのでべそ(臍ヘルニア) 助産院 北野ミッドワイフリー

産まれたときにはそんなことは無かったのに、生後1ヶ月頃になって赤ちゃんのおへそがぷっくりと膨らんでくることがあります。特に泣いているときには一層膨らみ、触ると「グルグル」「グジュグジュ」と言った感じの感触がします。


この、赤ちゃんのでべそを「臍ヘルニア」と言います。生後数週間経って目立ってくることが多く、3-4ヶ月頃まで大きくなり、その後縮小していきます。

なぜそうなるのでしょうか?へその緒の処置や取れ方が悪かったのかとよく聞かれるのですが、関係ありません。お母さんのお腹の中で、赤ちゃんは胎盤からへその緒を通して栄養や酸素を貰って育ちました。そのへその緒が付いていた場所は大きな血管を通すために腹筋や筋膜に隙間があります。その隙間は産まれてへその緒の血流が途絶え、へその緒が乾燥して落ちる頃にはジワジワ狭くなるものなのですが、10人から20人に一人くらい、隙間が大きめで閉りきらない子が居るのです。

生後すぐは赤ちゃんの泣く力も弱く、お腹もさほど大きくありませんが、数週間育つ間に太って腹筋も強くなってくるので、泣いたときにその隙間から小腸などが押し出されて膨らむようになるのです。グルグルする感触は小腸の動きです。直径で2-3センチ前後、大人の親指大位の子が多いのですが、私が見た中で最も大きい子では、直径6センチほど、私の手のひらいっぱい位まで膨らんでいました。

段々出てくるおへそを見て、親御さんは大変心配なさると思いますが、チョコチョコと走り回る1-2歳位までそのまま待つと、腹筋の発達に伴って隙間が狭まり、90-95%のお子さんで膨らみは無くなります。
昔はこのでべそを五円玉で押さえてテープで固定することが治療として行われていたようですが、金属アレルギーやテープかぶれを起こすことが多かったために廃れ、自然に任せて1-2歳になっても凹まない場合にのみ外科手術を検討するようになりました。

ですが、最近、圧迫固定がまた推奨されています。でべそが自然に治るのはその通りなのですが、それまでずっと膨らんで縮んでを繰り返すことで臍の周りの皮膚が伸び、治った後に皮膚のたるみが不格好に残るケースがあるためです。
また、技術開発により皮膚に固定するテープで長期間貼り続けても赤ちゃんの皮膚に負担をかけない物が出てきたことも理由の一つでしょう。

綿球やスポンジをおへそに押込むようにして出ている腸を押さえ、テープで固定します。医療機関によって数週間置きに受診して張り替えてもらうようにと言うところと、張り替え方を指導して数日おきにご家庭で張り替えるように言うところと様々なようです。どちらにしろ医科用の材料を使いますから、素人判断で始めずに、小児外科または皮膚科に診て貰いましょう。


これを行うことで、程度が軽い子だと1-2ヶ月ででべそ自体が治るそうですし、そうでなくてもおへそ回りの皮膚のたるみを防いで、後々の見た目を整えたり、手術のパーセンテージを低く出来るとされています。
治療の開始は早いほど良いようで、3ヶ月以内に開始すればかなり効果的だそうです。

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